Good morning everyone !
Today's lesson is...
・・・失礼いたしました。
みなさま、おはようございます。
今回の記事は、横文字が多めです。
なるべく、理解しやすいように書いていきますので、最後までお付き合いください。
私がリワークで体験したコミュニケーション訓練の中に、「アサーション」というものがありました。
アサーション(assertion)は、日本語では「主張」と翻訳されます。
効果的に自己主張を行うことで、抑圧された環境にいるうつ病患者の回復を促進することが、このプログラムの目的です。
日本では、「自己主張」というと、「ジコチュウ」「わがまま」といったネガティブなキーワードと結びつきやすく、自己主張することが苦手な方も多いらしいです。
アサーションの考え方に基づくと、コミュニケーションの取り方は3種類に分けられます。
1.攻撃的タイプ
自分の主張を高圧的な態度で押し付けるタイプです。
スラングで表現すれば、「マウントを取りたがる奴」です。
基本的に人の話を聴きません。
2.非主張的タイプ
自分の意見や感情を表現しないタイプです。
相手の主張を受け入れるばかりで、本質的には傾聴ができていません。
人間の性格は多面的なものなので、攻撃的・非主張的の両面を持った人もいます。
上司に対しては非主張的なのに、部下に対してはやたらと攻撃的な中間管理職のオジサンとか、よく目にしませんか?
どちらにしても、建設的な議論には繋がらず、効果的なコミュニケーションが取れているとは言い難いですよね。
そこで、第3のコミュニケーションタイプが登場します。
3.アサーティブなタイプ
自分の気持ちも、相手の気持ちも平等に尊重し、その場に相応しい効果的なコミュニケーションが取れるタイプです。
「これが出来たら苦労しないよ」と思われましたか?
リワークの心理士さんが言ってましたが、日本は儒教を取り入れた歴史的背景があり、上下関係が発生しやすいため、アサーティブなコミュニケーションが阻害されているらしいです。
しかし、最近では、パワハラが社会問題化しており、人権意識が高まりつつあるように感じます。
この流れに乗って、自己主張のできる人間に脱皮しませんか?
ただし、「俺の主張を聴けぇぇぇ!」と声だけ大きくしても、相手の態度を硬化させるだけです。
アサーティブなコミュニケーションを取るためのテクニックを身につけましょう。
その手法は、「DESC法」と呼ばれるものです。
効果的にコミュニケーションを図る行程の頭文字を並べて、DESC法(ですく ほう)と呼ばれているテクニックを紹介します。
これは、抑圧された環境から解放されるための心理療法的な手法としてだけでなく、ビジネスにおける交渉術としても活用できます。
イニシャルの「D」から順番に説明していきます。
D:Describe(描写する)
まずは、状況について、客観的に描写します。
これによって、自分が相手を理解していることが伝えられます。
また、認識の違いがあれば、ここで是正することが出来ます。
E:Express(表現する)、Empathize(共感する)
次に、自分の主観的な意見を表現します。
自分の意見を主張したうえで、相手の気持ちにも共感していることを示しましょう。
S:Specify(特定する)
お互いの意見を確認するだけでは、話は平行線を辿るだけです。
特定の解決策を複数考えて提案しましょう。
この際、自分だけが得する提案は、避けましょう。
お互いにとって利益のある、「WinWin」の関係を築ける提案が理想的です。
C:Choose(選択する)
複数の解決策を提案したら、相手に選んでもらいましょう。
自分で選んだという意識が、相手の納得感を高くします。
以上の手法でコミュニケーションを取れば、お互いが平等に意見を言うことが出来て、自分が抑圧されることも、相手を抑圧することありません。
もしかしたら、お互いが思ってもみなかった革新的なアイデアが生まれるかもしれません。
この手法を実践する上で、一つだけ気を付けてください。
「DESC法」は、相手を丸め込むための交渉テクニックではありません。
自分に対しても、相手に対しても敬意を持って、誠実に話し合うことを忘れないようにしてください。
演習:トランプ大統領に、オバマケアの廃止を思い留まるよう説得せよ。
(画像はツイッターから拝借しました。)
リワークの授業では、コミュニケーションの手法を教わるときは必ず演習がありました。
患者さんの実体験に基づき、職場で実践することを想定してシミュレーションを行っていましたが、プライバシーを守るため、その内容をブログに書くことは出来ません。
その代わりに、トランプ大統領を説得してみようというレクリエーション要素が強めの演習がありましたので、そちらを紹介したいと思います。
演習:トランプ大統領に、オバマケアの廃止を思い留まるよう説得せよ。
(アメリカの政治について詳しく知らない私が遊び感覚でやってるので、ツッコミどころ満載ですが、ご容赦ください。)
<演習始め>
私「トランプ大統領、一つ進言させてください。」
トランプ役「今、ツイッターをやっているんだ。後にしてくれ。」
私「また炎上しますよ。先に私の話を聴いてください。」
(こんな小芝居から始まる、ラフな施設でした。)
D:Describe(描写する)
トランプさんは、オバマケアを廃止する大統領令を発令しようとしていますね。
E:Express(表現する)、Empathize(共感する)
私は、オバマケアの廃止については、慎重に考えるべきだと思います。
もちろん、この制度には数々の弊害があり、トランプさんが廃止すべきだとお考えになる気持ちは理解しています。
S:Specify(特定する)
しかし、オバマケアで救われている人がいるのも事実です。
そこで、次のことを提案します。
一つ目は、このままオバマケアを廃止することです。
これでトランプさんの支持層は、あなたのことをこれまで以上に尊敬するでしょう。
その代わり、オバマケア廃止で浮いた財源の一部を、貧困層の救済に当てましょう。
これで対立軸からの批判を避けることが出来ます。
二つ目は、オバマケアをトランプケアに衣替えして継続することです。
オバマケアを改善したように見せかけて、中身を骨抜きにしてやればいいのです。
(実際は、骨抜きしたようにトランプ大統領に思い込ませるだけ。)
こうすれば、あなたは医療制度を改革した名君として、歴史に名を刻みますよ!
C:Choose(選択する)
さあ、いかがなさいますか?
<演習終わり>
今回は、「自己主張」がテーマでした。
上下関係の厳格な日本では、上司に対等な立場で意見することが歯向かうことだと認識されることが多く、従順であることが美徳とされがちです。
しかし、過度に抑圧された環境下では、強いストレスを感じてしまい、革新的なアイデアを生み出すことも難しいです。
つまり、個人にとっても、社会全体にとっても、大きな損失となっているのです。
上下関係の厳しい組織を要領よく渡り歩くことが重要視されるような忖度社会が、少しずつ変わっていくことを願うばかりです。
以上