長らく会社を休職していると、復職後、同僚との接し方をどうすればいいか不安になりますよね。
私も、リワークで多少の知識は得たものの、それが実践できるのか自信がありませんでした。
復職後は、毎日が手探り状態でしたが、次第に自分なりのやり方が見えてきて、結果としては1年半が経過した現在でも再休職せずマイペースに働けています。
そして、うつ病の症状についても、一旦は寛解したと医師に告げられました。
今回は、復職後に私が実践したコミュニケーションの手法についてご紹介したいと思います。
合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことです。
例えば、精神疾患であれば、復職後すぐに残業を伴うような多忙なプロジェクトには参加できないし、どちらかといえば一人でマイペースに勧められる単純作業が適しています。
復職に向けて会社の上司と担当業務について話し合う場合は、このような合理的配慮を遠慮なく受け入れましょう。
しばらく続けていれば、徐々に出来る仕事が増えていくので、決して焦る必要はありません。
復職初日は、どんな顔をして職場に行けばいいのか悩ましいところです。
最近は、出勤練習が一般的になってきたので、復職日よりも前に同僚と顔合わせをしているかもしれませんが、どこかのタイミングで久しぶりの気まずい再開があるわけです。
結論を言えば、「精神疾患で休んだ自分」を特別視することはありません。
病気で休職することは、誰にでも認められた権利です。
気まずい思いをする必要は、まったくありません。
普段通り、元気に出社の挨拶をしましょう。
人の役に立っていると感じられる時、憂鬱な気分は一時的に消え去ります。
職場で困っている人に助言や支援を求められたら、積極的に対応してあげてください。
また、困ってそうな同僚を見かけたら、自分から声をかけてもいいでしょう。
例えば、若手社員であれば、パソコン操作についてベテラン社員に教えられることがあるかもしれません。
逆にベテラン社員であれば、専門知識や過去事例を豊富に知っているので、業務のアドバイスができるかもしれません。
何らかの形で人の役に立っていると実感できれば、その瞬間だけでも気分が晴れやかになりますし、こういったことを積み重ねていくことで、徐々に自己肯定感も回復していきます。
ただし、復職直後は、負荷が大きくなりすぎないよう、程ほどに実践してください。
うつ病になってしまう方は、心が優しく自己主張が苦手な方が多いです。
なんでも言うことを聞いているうちに、「使い勝手の良い奴」と見なされて、心がボロボロになるまで酷使されることもあるでしょう。
復職後は、意識的に自分の意見を主張しましょう。
過去に、自己主張を効果的に行う手法を紹介しましたので、参考にしてください。
この記事では、「DESC法」というノウハウについても解説していますが、最初はノウハウ通りのキレイな形に拘らなくてもいいです。
とにかく、「自己主張」することから始めてみましょう。
もし、うつ病の原因になったパワハラ上司と同じ職場に戻る場合は、その人とは極力関わらないようにしましょう。
私の経験上、いくら自分を変えようと努力しても、パワハラを受けた相手と接するときは心拍数が上がって冷静さを失います。
一種のPTSDみたいなものだと思っています。
対人関係療法等で、それすら乗り越えることも可能なのかもしれませんが、私は結局、ある特定の上司への苦手意識は克服できませんでした。
できることは、とにかく苦手な相手は避けることです。
会話は、最低限の業務連絡だけにしましょう。
また、第三者との面談機会があれば、「この人とだけはどうしても仕事が出来ない」ということを素直に打ち明けられるといいですね。
ここまで、5項目に分けて復職後のコミュニケーションについて解説しましたが、すべての項目に共通して言える大事なことが一つあります。
それは、「自分を責めないこと」です。
休職していた自分を責めないでください。
長い人生ですから、一度も病気をせずに皆勤賞で働ける人なんて一握りです。
人間ドックで疾患が見つかって手術のために入院したり、プライベートで大怪我をして入院したり、長期間会社を休むことは珍しいことではありません。
会社を休む理由が、たまたま精神疾患であったことに、何ら後ろめたさを感じる必要は無いのです。
そして、自分を責めず、休んでいた自分をありのままに受け入れることで、自然なコミュニケーションができるようになり、職場への復帰もスムーズになると私は信じています。
以上