今日は有給を取得したので、家でブログを更新しています。
いつもなら昼休みの時間です。
会社の昼休みと言えば、生保営業さんがフリースペースで活動しているのをよく見かけます。
来客用のソファで顧客の隣に座り、お互いの膝が密着しそうな、きわどい距離感で保険商品について熱心に説明している姿をよく目にします。
保険なんて、おねえさんに声をかけられてホイホイと契約するような軽い買い物ではないはずなのですが、けっこう売れてるみたいですね。
(実は、総務担当として生保営業さんの出入りを管理していた経験があります。)
その売り上げの秘密に迫るためではないですが、結婚して子供が生まれるタイミングで保険に入ろうと思って生保営業さんから話を聞いたことがあります。
私は結局、その保険会社の商品は買わず会社の団体保険に加入したのですが、大手生保会社の練りに練られたセールストークの一端を垣間見ることができました。
彼女たちは、決して愛想だけで高額の保険商品を売っているわけではないのです。
前置きが長くなりましたが、今回は、19番目の思考エラーです。
「可能性」と「確率」の混同について、解説します。
不安なときは、将来何か困ったことが起こるという恐れ(予想)を抱きます。この恐れを見つめるために最初に自問することは、「この出来事が起こる可能性はあるだろうか?」です。もし可能性があるのなら、続けてこう自問します。「それが起こる確率はどのくらいだろうか?」。「起こる可能性があるなら、それはとても高い確率で起こるに違いない」。この恐れる出来事が発生する確率についての間違った思い込み、または過大評価は、不要な心配や不安をかきたてます。可能性と確率を識別するときは、その物事をよく調べて、すべての事実を集めるように注意してください。
(リワーク配布資料より抜粋)
例えば、保険商品の場合、「将来、三大疾病で働けなくなったらどうしますか?もしもに備えて特約を付けましょう!」というのが定番のセールストークです。
三大疾病にかかる確率なんて誰にも予想できませんが、こうやって詰め寄られると、高い確率で三大疾病に罹患する気がしてきてしまいます。
「だったら、ちょっと保険料が高額だけど特約を付けておいた方が安心かな」と思ってしまう方は、もう迷わず契約書にサインするでしょう。
ここで、少し冷静になってみましょう。
保険に加入する目的は、病気になってもお金に困らないためです。
つまり「三大疾病に罹患する確率」ではなく、「働けなくなって経済的に困窮する確率」を考慮して保険に入るべきなんですよね。
過去の記事でも紹介しましたが、日本は意外と福祉大国なんです。
高額医療を申請すれば一定額以上の医療費は免除されるし、働けない期間は傷病手当金が給付されます。
それに、病気が治れば再び働くことだってできるのです。
つまり、「三大疾病になったら貧乏生活に転落するかも」という考えは、「可能性と確率の混同」という思考エラーを起こしていると言えます。
ちょっと事実を並べただけでも、それがどれくらいの確率で起こるか冷静に判断ができますよね。
※もちろん特約によって保険金が支払われ、心から保険会社に感謝している方もいるでしょうから、一概に特約が悪いと決めつけるつもりはありません。あくまで例え話です。
病気になったらどうしよう。
地震が起きたらどうしよう。
夜道で強盗に襲われたらどうしよう。
世の中、漠然とした不安が尽きませんよね。
私も、オフィスビルが少し揺れただけで死にそうな気分になるし、いつ悪い奴が家に押し入ってくるかもわからないので戸締りが欠かせません。
心配性であるということは、危険回避能力が高いことの表れでもあります。
しかし、極めて低い確率のリスクすら恐れていては、日常生活を送るだけでも生きた心地がしません。
大切なことは、そのリスクが実害となる確率を、なるべく事実に基づいて判断することです。
以上
<まとめ>